長野駅善光寺口 再開発計画 2029年完成を!
長野市の中心駅の至近で大規模再開発がスタート
長野駅は長野市の中心駅で、県内最大規模を誇るターミナル駅。JR東日本、しなの鉄道、長野鉄道が乗り入れている。北陸新幹線は「あさま」の始発駅であり、「かがやき」「はくたか」の全列車が停車する。

駅には「善光寺口」と「東口」に大きく分かれ、前者を出ると繁華街が広がる。東口側は北陸新幹線開業による改修でペデストリアンデッキが新設され「ユメリア北中通り」に直結。これらの出入り口は東西自由通路および東西連絡地下通路でつながっている。
善光寺口には善光寺口商店街や南石堂町商店街、北石堂町商店街などの商店街があり、商業施設やホテル、オフィスなども点在。中心市街地として賑わっているが、新たなまちづくりも始まろうとしている。それが「長野駅前B-1地区第一種市街地再開発事業」で、今年に入り長野市は都市計画を決定した。

画像出典:長野市
計画地一帯には、映画館の「長野千石劇場」や飲食店をはじめとする店舗が建ち並ぶ。ただし空き店舗も多く、その割合は約27%にのぼる。木造建築などの非耐火建築物もたくさんあり、耐火建築物であっても老朽化していたり、土地の細分化、土地・建物の低未利用といった課題を抱えている。
地区内は道路幅員が狭く、緊急車両の通行や車両のすれ違いも困難だ。長野市は再開発事業を通じて、これらの課題を解消したい考えだ。
計画されているのは、高さ約100m、地上28階の複合施設だ。1~3階が店舗、4~8階が事務所、5~28階は200戸が入るマンションとする方針。ゲストルームやラウンジ、共用室、駐輪場、およそ180台分の駐車場も備えるという。

画像出典:長野市
ただし、景観などへの影響を懸念する声が上がり、地権者などによる再開発準備組合は高さ100mよりも低くする方向で検討している。今後は2025年度に既存建物の解体工事を始め、26年度から新建物の建築を開始、29年度の完成を目指す。総事業費は概算で約185億円で、国や県、市から計52.3億円の補助を見込んでいる。
同地区は善光寺表参道入り口に位置し、長野市の中心市街地の商業・業務の中心的な役割を担うエリアとされている。一方で近年は人口減少や商業の郊外流出といった社会環境の変化により、まちの活力が低下しつつある。
こうした状況下、長野市は2022年に『長野中央西地区市街地総合再生基本計画』を策定し、長野駅前周辺の都市の将来像を「多様な都市機能の集積により魅力とにぎわいを生み出すまちの玄関口」として定め、今回の再開発事業を重点プロジェクトとして位置付けた。
シンボリックな施設ができることや、まちのにぎわいの核になることへの期待、片や税金が投入されることや、駅前の一等地にマンション中心に施設を建てることに対する疑問など、さまざまな意見があるようだが、新たなまちづくりが本格的に始まる。
「もんぜんぷら座」跡地でも再開発事業が進行中
善光寺口では他にも再開発事業が進められている。その1つが、2031年度に解体予定の「もんぜんぷら座」跡地のプロジェクトだ。
同施設は1976年に閉店した旧ダイエー長野店を市が2億円で取得(建物は寄付)し、2003年6月から子育て支援、就労支援、市民活動の拠点などとして利用されている。
建物の老朽化により解体を予定しているが、市は2022年12月から有識者や周辺地区の代表者などによる検討部会を設置し、今後の活用法などについて話し合ってきた。
直近の素案では、市民活動・交流支援、生涯学習支援、子育て支援の各機能はエリア内に残す一方、就労支援、生活等支援、障がい者支援、外国人支援はエリア外への移転を検討するよう要望。
跡地には図書館やギャラリーなどの文化教育機能、観光・情報発信機能、飲食や物販といった商業機能を導入することが望ましいと提言している。同エリアは善光寺へのつながる参道であり、地域住民にとって有益な場所になると同時に、観光客にとっても魅力的な場所になることを目指している。
不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME’S」の「住まいインデックス」によると、直近3年間で長野駅周辺市の賃貸マンションの賃料は5.379%、中古マンション価格は7.33%上昇している。再開発の影響を受け、今後はさらに上昇していくかもしれない。
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