長野県白馬村、投機的取引の監視を要望 バブル期以来
スノーリゾートとしての国際的な人気で地価が上昇中の長野県白馬村が長野県に対し、投機的な土地取引の監視を求めた。実施されれば県内ではバブル期の影響があった1990年代以来になるが、県は今のところ慎重な構えだ。
白馬村の丸山俊郎村長が県庁を26日に訪れ、阿部守一知事に要望書を手渡した。 要望書では「本村における地価の急騰は、本来あるべき都市計画や、まちづくり計画に基づいた土地利用を困難にするおそれ」があると主張。「無秩序な開発や短期的な転売目的の取引」を抑えるため、村を国土利用計画法に基づく監視区域に指定するよう求めた。
国土利用計画法の監視区域の制度は、バブル期の投機的な土地取引に対応する目的で1987年にできた。都道府県知事が市町村単位で指定し、一定規模以上の土地売買について事前の届け出を求め、価格や利用目的を審査する。短期の転売などで投機的と判断したら契約の中止や変更を勧告し、従わなければ取引者の氏名などを公表する。
かつて白馬村は1989年に指定を受け、97年に長野市、松本市、軽井沢町などとともに解除された。それ以降、県内で指定された区域はない。
白馬村では、インバウンド(訪日外国人客)人気を背景に、ホテルやコンドミニアムの用地や、中古の物件などを買い求める取引が活発化。村内の住宅地が今年1月1日時点の公示地価で全国1位の前年比伸び率を記録した。価格自体は北海道のニセコ地域などと比べるとまだ低い水準にあるため、さらなる伸びを見込んだ取引が今後も続くとみられている。
阿部知事は27日の記者会見で、白馬村での土地取引の現状について「ほとんどが実需に基づく取引で、我々の認識ではまだ法の要件を満たす状況ではない」と述べ、監視区域の指定には慎重な姿勢を示した。ただし、「今後の状況は注視していく」とも語った。
白馬村は要望書で土地取引の監視のほかに、近年事故が目立っているバックカントリースキーや、騒音や迷惑行為が問題化している民泊施設に対する規制の強化なども求めた。